2022 年 38 巻 1 号 p. 85-89
重度脳卒中患者15名に対し体幹装具付き骨盤帯両長下肢装具(以下,Trunk-Hip-bilateral Knee-Ankle-Foot Orthosis : THbKAFO)を使用した歩行練習の経験を報告する.評価は覚醒,下肢運動麻痺,膝関節屈筋と足関節底屈筋の筋緊張,座位·体幹機能,日常生活動作とした.入院時,入院1,2,3カ月後の経時的変化を検討した.結果,覚醒は入院時に比べて入院2,3カ月後が有意に高く,入院1カ月後に比べて2カ月後が有意に高かった(p<0.05).筋緊張は膝関節屈筋,足関節底屈筋ともに入院時に比べて入院1,3カ月後が有意に高かった(p<0.05).THbKAFOを用いた歩行練習を中心とした介入は,覚醒に前向きな影響を与える可能性がある.