介護保険のシーティングが2021年4月より始まり,いわゆる高齢者のシーティングが一般化される年となった.高齢者ケアにおけるシーティングとは,「体幹機能や座位保持機能が低下した高齢者が,個々の望む活動や参加を実現し,自立を促すために,椅子や車椅子等に快適に座るための支援であり,その支援を通して,高齢者の尊厳ある自立した生活の保障を目指すもの」と定義されている.また,「椅子に座る」という暮らしの保障が記載されている.1989年に座位保持装置が補装具に入り,2017年に回復期リハビリテーションでシーティングが算定できるようになり,そして介護保険にシーティング入った.それらについて経緯と介護保険のシーティングを解説し,また,先駆的にシーティングを実践している介護老人福祉施設の取り組みを紹介する.