脳卒中片麻痺者の歩行再建は重要なテーマとして常に議論されてきた.脳卒中ガイドライン2021では初めて歩行障害に対する装具療法そのものに言及され,歩行再建における装具の重要性がエビデンスをもって再認識された.また歩行補助ロボットに関するエビデンスも記載され装具療法は既存の装具だけでなくロボティクスの活用も合わせて考える必要がある.また装具療法はツールとなる装具のフォローアップも重要であり,地域ぐるみで装具のフォローアップ体制を構築していくことが重要な視点である.装具療法はこれらに加え,装具ユーザーのニーズにどう答えるかが課題となっており,カーボン素材の活用や新たな装具のデザインなどにも期待したい.