日本義肢装具学会誌
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短報
足底腱膜炎の疼痛箇所と後足部アライメントからの足底挿板製作指針
清水 新悟安藤 靖広伊藤 岳史花村 浩克
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2022 年 38 巻 3 号 p. 244-247

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抄録

足底腱膜炎における疼痛箇所の違いが足部アーチの特徴や後足部アライメントの違いとどのような関係にあるかを調査し,足底挿板の設計を行うことを目的とする.足底腱膜炎と診断された32例52足を対象とし,疼痛箇所を踵部と踵部以外の内側アーチ部の2カ所とした.痛みの評価は,Visual Analog Scaleにて計測し,足部アーチ機能をNavicular Drop testにて評価した.踵部に疼痛は,後足部回外が多く,内側アーチ部の疼痛は後足部回内が多数であった.また踵部の疼痛はNavicular Drop testの値は低く,後足部回外との相関性が得られた.今回の調査から足底挿板の設計を行い,各症例1例に対しての有効性が確認された.足底挿板製作において,荷重分散や緩衝材などを用いて製作する前に,後足部の誘導を行うことが大事だと思われた.

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