日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
Print ISSN : 0910-4720
ISSN-L : 0910-4720
症例報告
足底部を改良したGait Solution短下肢装具が反張膝を有する脳卒中片麻痺者の歩行に及ぼす影響
米津 亮鈴木 淳也斎藤 聡佳成澤 雅紀神尾 昭宏藤田 暢一古屋 美紀衣笠 尊彦淵岡 聡清水 順市
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 38 巻 3 号 p. 248-254

詳細
抄録

脳卒中片麻痺の歩行中の蹴り出しを改善するため,中足趾節関節の背屈運動を再現できるGait Solution短下肢装具を試作した.本研究では,反張膝を有する脳卒中片麻痺者1名を対象に,足底部を改良したGait Solution短下肢装具が歩行に及ぼす影響を検討した.対象者には,足底部に改良を加えたもの(改良型)と従来の足底部のGait Solution短下肢装具(従来型)と裸足の状態で歩行解析を実施した.その結果,改良型において,従来型より蹴り出し時の足関節底屈トルクが有意に増加(p<0.05)し,単脚支持期の腓腹筋の筋活動が増大した.これらの知見から,足底部を改良したGait Solution短下肢装具により,反張膝を有する脳卒中片麻痺者の蹴り出しが改善されることが示唆された.

著者関連情報
© 2022 日本義肢装具学会
前の記事 次の記事
feedback
Top