2023 年 39 巻 2 号 p. 117-120
大腿義足ソケットの適合を高めるためには,断端軟部組織を適度に圧迫し,固定することが必要である.その圧迫の程度は,断端軟部組織の硬さが1つの指標となっているが,その硬さの評価は主観的に行われているのが現状であり,指標の定量的なエビデンスが無い.今回,我々は大腿軟部組織の定量化を試み,健常者群の大腿軟部組織の硬さと大腿切断者群の断端と健側の軟部組織の硬さを計測し,比較を行った.その結果,健常者群における大腿部の軟部組織の硬さは,利き脚,非利き脚間で有意な差は見られなかったが,大腿切断者群の断端は,健側に比べ弾性モデル係数が有意に小さく,軟らかい傾向にあることが明らかとなった.また,断端軟部組織の硬さは,遠位より近位の弾性モデル係数が有意に小さく,軟らかい傾向があった.