能動義手がユーザーのニーズに合ったものとなり思うように動かせるようになるためには,医師・作業療法士・義肢装具士等がチームで意見を出し合いながら,力源・ケーブル・ハーネス等の走行を検討し続けていくことが大事である.そこで,完成した義手の検査を実施し,一定の水準以上であることを評価することは義手の可能性に繋がる.本稿では経験した症例の中から,構造を工夫した義手とユーザーの使用例を通して能動義手の可能性を伝える.能動義手の義手検査の目的は,装着する前に一定の水準以上であることを評価すること,その水準に達していなかったとしても,義手検査を理解したうえで,義手の製作や調整を行うことで,その水準に達することができる指標となることである.