能動義手は上肢切断者の失われた手の機能を補完し,両手動作を可能にする有効な手段である.しかし本邦における能動義手の適合判定基準は明確でなく,臨床,教育,国家試験などにおいて問題となっている.この問題を解決するために,日本義肢装具学会に設置された義手適合判定委員会において,新たな能動義手適合判定基準,検査表を作成し発表した.本稿では現状の義手適合判定基準の問題点について解説し,更生相談所,義肢装具士・作業療法士養成校に対して施行したアンケート結果を紹介するとともに,新たな能動義手適合判定・適合検査の概要,そして新たな適合判定の中で最初に行われる「身体機能検査」について述べる.