2025 年 41 巻 2 号 p. 108-112
本稿では,特に,義肢装具士がどのように貢献できるかを意識しながら,大規模地震発生から仮設住宅入居前までの期間において,「今までの被災経験でわかった困難と対処方法」と「今後に期待されること」を,災害時要配慮者のうち肢体不自由者を例に紹介する.障害者が遭遇する社会的な困難には,仮設住宅入居前には,①福祉機器の紛失・損傷,②家屋内外の物理的環境と社会的環境の喪失,③避難所における物理的環境の不備(段差・和式トイレ・床に寝ること)に大別される.定型的な対処方法はなく,業務として伝達する職種も定まっていないことから,多様な立場から業務の枠に捉われずに,災害時の具体的なニーズと対処方法を蓄積することが求められる.