2025 年 41 巻 3 号 p. 222-228
義肢装具の臨床研究において,効果的な装具設計を追求するためには,客観的なデータに基づいた検証が不可欠である.そのため,実験計画法に基づいたデータ収集と統計的な解析が重要となる.本稿では,義肢装具学会員の皆様に向けて,実験計画法の中でも特に,分散分析と直交表解析に焦点を当て,その基礎概念から具体的な応用までを解説する.分散分析は,複数の要因が結果に及ぼす影響を評価するための基本的な統計手法である.特に,二元配置分散分析では,要因間の交互作用を評価することが可能であり,より詳細な分析に有用である.一方,直交表解析は,多数の要因が結果に及ぼす影響を効率的に評価するための実験計画法である.直交表を用いることで,少ない実験回数で,各要因の主効果と交互作用を効率的に把握できる.本稿では,これらの統計手法の基本的な概念を解説し,具体的な義肢装具の設計因子を例として,直交表を用いた実験計画と解析方法を詳細に説明する.さらに,得られた解析結果の解釈方法についても解説する.本稿を通じて,義肢装具の開発・臨床研究における統計的思考を深め,よりエビデンスに基づいた装具設計に繋げる一助となれば幸いである.