日本義肢装具学会誌
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下肢切断者に関する疫学的研究
林 義孝森 義明川村 次郎
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1999 年 15 巻 2 号 p. 163-170

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抄録

大阪府下の某義肢会社において, 1992年~1997年の5年間に義足を作製した3,138名の下肢切断者を対象に, 性別・年齢・初回切断年次・切断原因・切断部位・断端症状・義足使用状況・移動手段等の疫学調査を郵送法で実施, 有効回答数は1,460 (52.3%) であった. その結果, 虚血性の切断については初回切断年が1930年~60年代までは3%前後であったが, 70年代から増加傾向を示し, 90年代では37.0%まで増加していた. 今回の調査は, 切断してから調査時点までの経過年数の長い人から短い人を含んでおり, 経過年数の長い切断者の中に死亡している人が多いと考えられるので, 古い切断者と新しい切断者を単純に比較することは困難であるが, わが国の下肢切断の切断原因と切断年齢が欧米型に移行しつつある可能性が示唆された.

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