抄録
近年のロボット工学の進歩により, 様々な分野においてロボット技術の応用が期待されている. その中で, 人間の体に直接装着し, 装着者の意思通りに動作する外骨格型ロボットは, 装具として利用することが期待できる. 日常生活では, 上肢運動は多くの基本動作に関わっており, 重要な運動器の1つであるため, 肩関節運動等の上肢近位部の動作に問題をもつ障害者は日常生活動作 (ADL) において様々な支障を強いられている. これらの人々のADLにおける自立をサポートする1つの方法として肩関節運動の動作を生成させるシステムの開発がある. 本研究では, 装着者の肩関節運動 (屈曲伸展および外転内転運動) を生成する外骨格型ロボットおよび制御システムを開発し, 装具としての可能性を検討した. 実験の結果, 提案する外骨格型ロボット装具は装着者の操作通りの肩関節運動が生成できることを確認できた.