抄録
サイム切断者の切断端や義足における問題点について, 直接検診とアンケート調査から検討した. 当科や周辺医療機関でサイム切断を受けた27例28肢を対象とし, このうち, 一次治癒し義足を処方した24例につき報告する. 24例のうち16例が外傷性, 血管原性5例, その他が3例であった. 切断時平均年齢45.2歳, 切断後平均14.3年経過していた. とくに, サイム切断の最大の長所である断端末歩行が可能な例は7例 (29.2%) しかなく, また脚長差も平均約7cmもありADL上の不便もみられ, サイム切断は意外に利便性は少ないと考えられた. また義足の不適合も約半数にみられた. これらの結果から, 足・足関節レベルにおけるサイム切断の再検討を考慮している.