日本義肢装具学会誌
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大腿ソケットの懸垂に紐固定装置 (カムクリート) を使用した1症例
平野 裕滋石田 典子堀内 智美中村 菜摘児玉 亮香川 貴宏水野 正昇
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2008 年 24 巻 2 号 p. 114-118

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抄録
高齢者の下肢切断は高齢化社会につれて増加の一途をたどっている. 今回, 下腿部に悪性腫瘍を発症し, 大腿切断を施行された後期高齢女性患者に対して坐骨収納型ソケットとシリコーンライナーの大腿義足を処方し作製した. 原疾患の性質上, 短い訓練時間で義足を使いこなす必要があったこと, 長断端そして両手の握力およびピンチカの低下を認めたこと等からソケットの懸垂固定機構に紐式を採用した. その際にヨットに使用する紐固定装置を採用した結果, ソケットの懸垂固定に関して良好な懸垂固定効果が得られた. この紐固定装置の特徴は, 紐を引く力と紐をロックする方向が一致しているため, 紐の固定に関する力が軽微なことである. 欠点としては, 装置の寸法が大きいために衣服を着用していても大腿部の膨らみが大きくなり非切断側大腿部との外観の差が目立つことであるが, よりコンパクトなものに改良すれば十分に採用する価値のある紐固定装置と思われる.
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