胆道
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症例報告
腹腔内出血で発症した出血性胆嚢炎の1例
山本 和貴小野山 裕彦
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2015 年 29 巻 5 号 p. 918-922

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抄録
症例は72歳男性.急性胆嚢炎にて入院し,保存的治療を開始された.しかし,第4病日に貧血の進行およびモリソン窩のfluid collectionを認めたため,緊急手術を行った.開腹所見は,胆嚢の肝付着部の壁からのoozingによる腹腔内出血を認めた.病理組織学的に胆嚢に穿孔部位は見られず,漿膜面にも出血部位は見られなかった.急性胆嚢炎の炎症が胆嚢壁内の静脈壁に波及し,出血性胆嚢炎を生じ,炎症や壊死で脆弱となった胆嚢壁から腹腔内にoozingで出血したと考えられた.胆嚢出血もしくは出血性胆嚢炎は,稀な疾患であるが,ショックなど重篤な病態を示すため,常に考慮しておくべき疾患である.今回,出血性胆嚢炎に胆嚢穿孔を伴わない腹腔内出血を合併した稀な症例を経験したので,文献検索結果を含め報告した.
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© 2015 日本胆道学会
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