日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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植物細胞特異的に発現するmRNAの解析に向けてのレーザーマイクロダイセクションの利用
*浅野 敬幸草野 博彰菊池 尚志増村 威宏島田 浩章門脇 光一
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p. 114

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抄録
レーザーマイクロダイセクションは、組織切片から目的とする細胞のみを限定的に単離し、回収する装置としてガン細胞を用いて開発された。これにより、細胞レベルでの個々の遺伝子の発現解析が可能となった。そこで、我々はレーザーマイクロダイセクションを用いて、周辺細胞と形態的識別が容易なイネの師部で発現する遺伝子の効率的な単離を行った。まず、レーザーマイクロダイセクションによりイネの師部の限定単離を行い、回収した細胞からRNAを抽出し、これを用いてcDNAライブラリーを作製した。任意に選択した413クローンの塩基配列の解析を行ったところ、これらのクローンは124のグループに分類され、そのうちの約6割のクローンが既知の塩基配列との相同性を示した。次に、任意のcDNAクローンを選択し、in situハイブリダイゼーションおよびGUSレポーター遺伝子を用いた組織化学的染色により、これらの遺伝子の組織特異的な発現解析を行った。本学会では、師部特異的cDNAライブラリーの構築および得られたcDNAクローンの遺伝子発現解析の結果について報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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