抄録
強光ストレス下においてはアンテナタンパク等の光合成関連遺伝子群の発現が抑制されるだけではなく、活性酸素類の除去酵素を含むいくつかの抗ストレスタンパク質の遺伝子発現が活性化される。私達は強光受容から遺伝子発現制御へ至るまでのシグナル伝達経路の解明を目的として遺伝学的な解析を行っている。強光処理に応答してホタルルシフェラーゼ遺伝子の発現が活性化されるシロイヌナズナのin vivo解析系を用いて、強光応答に異常の見られるシロイヌナズナ変異体をスクリーニングした。現在30種類程度の変異体が単離されており、強光応答の鈍くなったものと恒常的に強光応答を示すものの二つのグループに分けられた。また遺伝子発現応答がおかしいだけでなく、葉の形態に異常を示すものも見られた。これらの変異体についての知見について報告したい。