日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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単細胞性紅藻Cyanidioschyzon merolaeのプラスチド核様体による転写活性の測定:緑色植物系統との比較
*宮島 一徳関根 康介壁谷 如洋得平 茂樹佐藤 直樹
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p. 137

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抄録
 プラスチドは,独自のDNAを持つオルガネラであり,プラスチドDNAは様々なタンパク質,RNAとともに高次の複合体である核様体として存在し,これが機能的な単位となっている。Cyanidioschyzon merolaeは,核,プラスチド,ミトコンドリアを1個ずつ持つ単細胞性紅藻で,緑色植物系統とは異なる系統におけるプラスチドの進化を調べるのに有用である。本研究ではC. merolaeのプラスチド核様体を単離し,in vitro転写実験系の基本的な性質を調べ,ラン藻,コケ,エンドウと比較することを目的とした。様々な阻害剤のプラスチド核様体に及ぼす効果を調べると,バクテリアのRNAポリメラーゼの転写を阻害するリファンピシンで異なる阻害効果があった。
 エンドウの葉緑体核様体の主要構成タンパク質は亜硫酸還元酵素(SiR)であり,SiRが葉緑体DNAの凝縮に働いているが,これに対してC. merolaeでは,ヒストン類似タンパク質のHUタンパク質がプラスチドDNAの凝縮に関与している。in vitro転写実験系に,大腸菌に発現させたC. merolaeのHUタンパク質を加えたところ,C. merolaeのプラスチド核様体では転写活性が上がり,エンドウでは下がる効果があった。紅藻と緑色植物系統のプラスチドでは,核様体を構成するタンパク質に大きな違いがあり,今後更に研究を進める予定である。
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© 2003 日本植物生理学会
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