日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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光呼吸系で働くペルオキシソーム型グルタミン酸グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(GGAT)の同定
*五十嵐 大亮三輪 哲也関 原明小林 正智加藤 友彦田畑 哲之篠崎 一雄大住 千栄子
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p. 155

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抄録
光呼吸系で働くペルオキシソーム型グルタミン酸グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(GGAT)は光呼吸、アミノ酸代謝に直接関わる重要な酵素である.これまで光呼吸系で働く遺伝子群は主に変異体の解析から明らかにされているが、GGATをコードする遺伝子は同定されていない.今回我々はシロイヌナズナのアラニンアミノトランスフェラーゼ様タンパク質AOAT1の遺伝子破壊株(aoat1-1)の解析から、GGAT遺伝子の同定に成功したのでその成果について発表する.aoat1-1は以下の特性を示した.1,ペルオキシソームにおけるGGATの活性が顕著に減少した.2,通常の栽培条件下においては生育が阻害されるが、高CO2条件下では正常に生育するという光呼吸変異体の表現形質を示した。3,セリン、グリシン含量が顕著に減少しグルタミン酸含量が増加した.
これらの結果に基づき、AOAT1が光呼吸系で働くGGATとして機能すると結論付けた.
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© 2003 日本植物生理学会
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