抄録
我々はLH1アンテナ複合体 (LH1) におけるカロテノイドからバクテリオクロロフィル (BChl) への極短時間領域でのエネルギー伝達に着目した。カロテノイドのないLH1は界面活性剤の存在下でB820、B780サブユニットに解離することが知られている。BChl aの二量体から成るB820はカロテノイドをもたない変異株Rhodospirillum rubrum G9からおだやかに作用する界面活性剤であるβ-OGを用いて単離し、DEAEセルロース陰イオン交換クロマトグラフィーで精製した。このB820サブユニットにカロテノイド (たとえばanhydrorhodovibrin) を結合して、カロテノイドを含むLH1を再構成した。この再構成LH1において、BChlの極大吸収ピーク (Qy) は大きく長波長シフトし、野生株のLH1と同じ880 nmとなった。今後、様々なカロテノイドを再構成したLH1の蛍光、およびフェムト秒時間分解吸収スペクトルを測定し、励起エネルギー伝達についても報告する予定である。