日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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活性窒素分子種 (RNS) に対するアラビドプシスの 2-Cys ペルオキシレドキシンの防御的役割
*塚本 成文橋本 愛美山本 宏森川 弘道坂本 敦
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p. 211

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抄録
 活性窒素代謝は NO シグナリングの制御のみならず,活性窒素毒性からの防御の面でも重要であると考えられるが,その植物生化学的・分子生物学的知見はほとんどない。活性窒素の細胞毒性は強力な酸化剤・ニトロ化剤であるペルオキシナイトライトの生成によると考えられる。過酸化物を還元するペルオキシダーゼであるアラビドプシスの 2-Cys ペルオキシレドキシン (2CPRX) の精製組換えタンパク質が,ペルオキシナイトライトを効率的に消去することを示した。アラビドプシスの 2CPRX は,酵母 2CPRX 欠損株の活性窒素や活性酸素に対する過感受性を相補した。これは高等真核生物の 2CPRX が RNS 毒性の防御に働くことを in vivo で示した最初の事例である。本結果は、活性窒素耐性因子としての植物 2CPRX の新規機能を証明するとともに,植物における活性窒素代謝酵素系の存在を支持するものである。
(Sakamoto et al. Plant J., in press)
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© 2003 日本植物生理学会
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