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植物は大気中の二酸化窒素を気孔から取り込み、アミノ酸にまで代謝することが知られているが、一方で二酸化窒素は植物にとって有毒であるとも言われている。我々はこれまでに、植物葉内に取り込まれた二酸化窒素由来の窒素の約1/3は未知窒素(UN)化合物に変わることを見いだしており、UNの少なくとも一部は植物にとって有毒であるという結果を得ている。また、二酸化窒素がどのような形で植物葉内に取り込まれるかは明らかにされておらず、二酸化窒素が植物体内でどのように代謝されるのかについては未だ不明な点が多い。
本研究ではNicotiana plumbaginifoliaの野生株と硝酸還元酵素欠損株(E-23株)を用い、大気に添加した二酸化窒素を唯一の窒素源として生育させた。4 ppmの二酸化窒素で3~6週間暴露を行ったところ、根から9.46 mMのコハク酸アンモニウムを与えた場合とほぼ同程度(草丈で約3~4倍)生育し、植物は大気中の二酸化窒素を唯一の窒素肥料として生育しうることが示された。また、Kjeldah法による解析を行ったところ、取り込んだ二酸化窒素は還元態窒素にまで代謝されていることが確認できた。無機窒素量、未知窒素化合物量の測定結果と合わせて報告する。