日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

イネの液胞膜型Na+/H+アンチポーター遺伝子ファミリーの機能解析
*福田 篤徳中村 敦子田中 喜之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 249

詳細
抄録
液胞膜型Na+/H+アンチポーターは、液胞膜を介したpH勾配をエネルギー源として利用し、細胞質に存在するNa+を液胞内に輸送する対向輸送体である。当研究室では、既にイネからNHX型である液胞膜型Na+/H+アンチポーター遺伝子(OsNHX1)を1種類単離している。最近、イネのゲノムの全塩基配列が公開されたが(1)、この情報を元に、さらに3種類のNHX型アンチポーターを単離した(OsNHX2-4)。これらの遺伝子から予想されるアミノ酸配列のOsNHX1に対する相同性は、OsNHX2は75%、OsNHX3は71%、OsNHX4は33%であった。OsNHX2及びOsNHX3遺伝子は、OsNHX1と同様に出芽酵母Na+/H+アンチポーター変異体(nhx1)をNaCl、KCl及びハイグロマイシン耐性について機能相補することを確認した。また、OsNHX1-3のそれぞれは、イネに対する高濃度のNaClやマンニトール(高浸透圧)処理に対して異なった発現パターンを示した。本発表では、OsNHX4の結果も併せて報告する。
(1) Goff, S. et al. (2002) Science 296, 92-100.
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top