日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ガン細胞特異タンパク質CD98遺伝子を導入した機能性農作物の作出
角谷 晃司*森浦 展行岩崎 健太畑 太一益子 高豊田 秀吉
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p. 252

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抄録
CD98は、ガン化した細胞の膜に存在し、アミノ酸トランスポーターや細胞接着などの機能を有し、腎臓、小腸、精巣および卵巣等の様々な組織で過剰発現することにより細胞の悪性化を引き起こすことが知られている。演者の研究室では、ガン予防を目的として、CD98遺伝子を導入した農作物を作出し、CD98に対する経口ワクチンの開発を進めている。まず、本実験ではマメ科モデル植物であるミヤコグサ(Lotus japonicus)を供試し、アグロバクテリウム法によりCD98遺伝子を導入した。バイナリーベクターpIG-121Hmのgus遺伝子領域をCD98遺伝子に置換したプラスミドをA. tumefaciens EHA101株へ導入し、ミヤコグサ胚軸切片への接種に使用した。ハイグロマイシン抵抗性を示す不定芽を誘導した後、多数の再分化植物を作出した。RT-PCR分析により、ハイグロマイシン抵抗性を示す全ての植物体においてCD98遺伝子の発現を確認し、さらに、ウエスタン分析により約90kDa付近にCD98組換えタンパクの生産を検出した。今後、これらの組換え植物を用いたCD98に対する免疫原性作用の有効性について検討する予定である。
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© 2003 日本植物生理学会
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