日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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アズキ上胚軸の成長は刺激方向とは無関係に過重力により阻害される
*曽我 康一若林 和幸神阪 盛一郎保尊 隆享
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p. 277

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抄録
植物の基部方向に向かって過重力刺激を与えると、細胞壁伸展性が低下し、茎の成長速度が低下する。しかし、基部方向とは異なった方向に過重力刺激を与えたときに、植物がどのような成長反応示すのかは、ほとんど明らかになっていない。本研究では、アズキ芽生えに、基部方向、垂直方向、頂端方向に300 gの過重力刺激を5時間与え、その成長および細胞壁の物性に与える影響を調べた。その結果、どの方向から過重力刺激を与えても、基部方向に過重力刺激を与えた場合と同様に、細胞壁伸展性が低下し、上胚軸の伸長成長が阻害された。また、機械的刺激受容チャンネルの阻害剤であるランタンおよびガドリニウムで処理すると、どの方向から過重力刺激を与えても、過重力刺激による成長阻害が見られなくなった。以上のことから、過重力刺激によるアズキ上胚軸の成長阻害は、刺激の方向に依存せずに起こることが明らかになった。すなわち、植物は、茎の成長調節において、過重力刺激の方向ではなく、過重力刺激の大きさのみを情報として利用していると考えられる。また、基部方向、垂直方向、頂端方向のどの方向から過重力刺激を与えても、茎の成長が阻害されたこと、機械的刺激受容チャンネルの阻害剤処理により、過重力刺激による成長阻害が見られなくなったことから、機械的刺激受容チャンネルが原形質膜上に存在し、そのチャンネルによって、植物は過重力刺激を受容している可能性が考えられる。
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© 2003 日本植物生理学会
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