日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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細胞伸長と細胞壁合成に異常を示すアラビドプシス温度感受性acw4,5,6変異体の解析
*山田 奈々江掛川 弘一石井 忠高部 圭司加藤 友彦日尾野 隆佐藤 茂
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p. 339

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抄録
 植物の形態形成では、遺伝的に決められた一定の大きさに、細胞が伸長・肥大することが必要である。この細胞の伸長・肥大過程において、細胞壁の合成や修飾が大変重要である。我々は、細胞伸長と細胞壁合成に関わる遺伝子を明らかにするため、非許容温度(31℃)下で細胞伸長が阻害され、細胞壁合成に異常を示す温度感受性acw1-7変異体を単離・解析している。これまでにacw1(3), 2, 7遺伝子座について詳細な解析を行い、セルロース合成に膜結合セルラーゼ、ダイナミン様タンパク、キチナーゼが必要であることを本学会にて報告した。今回、acw4,5,6変異体の解析を行ったので報告する。
 acw4,5,6変異体の細胞壁分析の結果、セルロースだけではなく他の多糖合成にも影響が出ていることが示された。したがって、acw4,5,6変異体の細胞壁合成異常は、変異の間接的な影響であることが示唆された。acw6では細胞伸長阻害に加え根のradial pattern形成の異常も観察された。acw4acw6遺伝子座は、それぞれ第1染色体14cMと112cM付近に、acw5遺伝子座は、第4染色体81cM付近にマッピングされた。現在、原因遺伝子の単離にむけて、ファインマッピングと相補テストを行っている。
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© 2003 日本植物生理学会
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