日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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メチルジャスモン酸生合成変異体を用いたメチルジャスモン酸特異的遺伝子発現応答の解析
*関本(佐々木) 結子多木 希大林 武相内 孝幸小林 雄一浅水 恵理香中村 保一黒森 崇平山 隆志篠崎 一雄増田 建島田 裕士高宮 建一郎柴田 大輔田畑 哲之太田 啓之
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p. 352

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抄録
ジャスモン酸(JA)類は、傷害応答・病害応答・葯の形成など多岐に渡る生理作用を持つことが知られている。植物中にはJA、メチルジャスモン酸(MeJA)、JA生合成の前駆体であるOPDAなど、種々のジャスモン酸類が存在するが、それらの機能の違いについてはよくわかっていない。我々はこれまでにJA、MeJA、およびOPDA処理に対して発現量が変化する遺伝子群をcDNAマクロアレイにより同定してきた。これらの遺伝子群にはJAの生合成遺伝子であるLOX2, AOS, AOC, OPR1, OPR3が含まれており、いずれの処理においても一過的に発現が誘導されていたが、そのプロファイルは各処理によって異なることが明らかになった。そこで本研究ではJA類の中でも特にMeJAが遺伝子発現に及ぼす影響に注目するために、理研で作成されたトランスポゾンタグラインを検索し、MeJAの合成酵素、jasmonic acid carboxyl methyltransferase (JMT)の破壊株を得た。この破壊株にJAを処理したところ、野生株にJAを処理した場合と比べてLOX2の発現プロファイルに違いが見られたが、AOS, AOC, OPR1, OPR3においては変化が見られなかった。現在cDNAマクロアレイによりJA処理を行ったjmt変異体における約9000遺伝子の発現応答を解析しており、この結果を報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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