抄録
植物の外界刺激に対する応答の多くは様々な植物ホルモンを介して行われる。そのうち光はサイトカイニンとの関連が指摘されている。例えば、暗所発芽子葉の光による緑化過程はサイトカイニンの投与により部分的に再現できる。この様な個々の事象を通じての示唆は多いものの応答の全体像を描くのは難しい。
本研究シロイヌナズナのcDNAマクロアレイ(約9000遺伝子相当)を用いて、暗所発芽5日目のシロイヌナズナに対するサイトカイニンと光の応答について調べ、そこからこの2刺激の比較を試みたので報告する。また、光は葉で受容され、サイトカイニンは主に根で生合成されることを踏まえて、組織特異性と関連づけて議論する。