抄録
エチレン受容体、サイトカイニン受容体、およびフィトクロームは、N末端のシグナルを受容するドメインとC末端のヒスチジンキナーゼあるいはヒスチジンキナーゼ様キナーゼを含むドメインからなる。よく似たドメイン構成の遺伝子が細菌にも存在することは、これら植物の受容体が細菌を起源とする可能性を示唆している。今回、この問題を分子進化学の手法で、検討してみた。その結果、植物の受容体と細菌の受容体が単系統であるという証拠は得られなかった。むしろ、解析結果は、これら植物の受容体がドメインの再編によって作られたものであることを示唆していた。