日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

DNAマイクロアレイを用いたSynechocystis sp. PCC6803のフィトクローム様光受容体により制御を受ける遺伝子の同定
*片山 光徳耿 暁星金久 實池内 昌彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 370

詳細
抄録
 シアノバクテリアのゲノム上には高等植物のフィトクロームに類似した光受容体をコードすると予想される遺伝子が複数存在するが、機能が特定されているものは少ない。本研究では機能不明のフィトクローム様光受容体遺伝子の生理機能を知る手がかりを得るため、DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現パターンを網羅的に解析し、フィトクローム様光受容体によって発現が制御を受けている遺伝子の推定を試みた。
 Synechocystis sp. PCC6803のフィトクローム様光受容体をコードする遺伝子sll0821、sll1124、sll1473、slr0473、slr1212、slr1393、slr1805、slr1969を薬剤耐性遺伝子の挿入によりそれぞれ破壊した株を作成し、連続の白色光照射下で培養した細胞から抽出精製したRNAを用いて解析を行った。その結果、sll1473破壊株においてフィコビリソームのロッドとコアを繋ぐリンカータンパク質をコードするcpcG遺伝子の発現量が野生株の5%以下に減少していることが明らかとなった。他の破壊株でも規模は小さいながら特徴的な遺伝子発現パターンが観察された。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top