日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

光合成細菌のセンサーヒスチジンキナーゼDmsSの膜結合領域の解析
*伊藤 岳半田 悟史松崎 雅広山本 勇佐藤 敏生
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 372

詳細
抄録
 光合成細菌 Rhodobacter sphaeroides f. sp. denitrificans IL106 のジメチルスルフォキシド(DMSO)呼吸系のdmsCBAオペロンはニ成分制御系のDmsS/DmsRで転写制御が行われている。一般にセンサーキナーゼは膜貫通タンパクと推定されているが、DmsSの予想されるアミノ酸配列において明瞭な膜貫通セグメントが見られなかった。本研究ではdmsS-lacZ融合遺伝子を構築し、DmsSの膜結合領域の解析を行った。
 DmsSには、膜結合していると思われる疎水性アミノ酸領域が6ケ所存在した。そこで、N末端からそれぞれの疎水性領域までを含むlacZ融合遺伝子を構築し、野生株に接合導入した。それぞれの導入株の全てにLacZ活性が認められたことから、DmsSタンパク質は細胞質側に出ていると考えられた。また、それぞれのLacZ融合タンパク質は膜画分と細胞質画分に分かれたことからDmsSは細胞質側から膜にゆるく結合していることが推定された。一方、DmsAタンパク質は嫌気条件下でDMSOの存在によって発現が誘導されるが、培地へのDMSOの添加によるdmsSプロモーターの活性の変化は見られず、DMSOは発現の誘導物質でないことが示された。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top