日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

ハツカダイコン胚軸におけるアントシアニン蓄積の糖による誘導
*原 正和星野 恭子大木 果林久保井 徹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 382

詳細
抄録
アントシアニン生成の主な誘導因子は光であるが、アントシアニンが大量に蓄積するには他の要因も必要である。花では糖の蓄積がアントシアニン合成を高めるが、栄養成長組織でのアントシアニンの糖誘導に関する情報は限られている。われわれは、ハツカダイコンの胚軸切片を使った糖によるアントシアニンの誘導系を開発し、品種によるアントシアニン生成の差異について調査した。赤色ハツカダイコンの胚軸切片において、スクロース(175 mM)の添加は最も効率良くアントシアニン生成を誘導した。グルコースやフルクトースも誘導したが、マンノースや3-O-メチルグルコースは誘導しなかった。赤色ハツカダイコンでは、スクロースによってアントシアン生合成遺伝子(CHSCHIF3HDFRANS)の発現は高まったが、白色ハツカダイコンではその誘導は抑制された。以上の結果、白色ハツカダイコンでは、糖によるアントシアニン誘導のシグナル伝達の一部が不活化していると示唆される。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top