日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナ時計関連因子APRR9の機能解析
*松鹿 昭則伊藤 照悟山篠 貴史加藤 友彦佐藤 修生田畑 哲之水野 猛
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p. 39

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抄録
 シロイヌナズナのAPRR因子群は、それぞれN末端の擬似レギュレータードメインに加えてC末端にCCTモチーフを持ち、5種類のメンバーからなるファミリーを形成している。これらAPRRファミリー(APRR1=TOC1、APRR3、APRR5、APRR7、APRR9)の最も際だった特徴は、それらの転写発現が全て概日リズムを示し、APRR9APRR7APRR5APRR3APRR1の順に規則正しく転写が誘導される点である(APRR五重奏)。また初発のAPRR9は光誘導性である。今回は、APRRファミリーが計時機構と関連しているか否かを、APRR9に焦点をあてて検討した。具体的には、APRR9過剰発現植物体を作成し、これらの変異植物体におけるAPRRファミリーと他の時計関連遺伝子の発現様式を詳細に解析した。その結果、APRR9過剰発現植物体においては、APRRファミリーのみならず他の一連の時計関連遺伝子(CCA1やLHYなど)の自由継続リズム周期が全て短くなった。さらに、この過剰発現植物体は顕著な早咲きの表現型を示すことが明らかとなった。またAPRR9変異植物体の解析も行ったので合わせて報告する。これらの結果をもとに、APRR9の働きを中心に、APRRファミリーの時計機能や開花の光周性制御における重要性に関して考察する。
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© 2003 日本植物生理学会
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