日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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バーベナ形質転換系の開発とフラボノイド合成系遺伝子の導入
*戸上 純一田村 美穂子石黒 加奈子中村 典子勝元 幸久鈴木 賢一田中 良和
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p. 390

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抄録
バーベナ(Verbena hybrida)はクマツヅラ科の花卉園芸植物で、地面を這うように成長することからグラウンドカバーなどの用途に人気が高い。遺伝子組換え技術を適応することにより、花の色を改変したり、除草剤抵抗性を付与したり、土壌の汚染をモニタリング・浄化したりすることが可能であると期待されていたが、遺伝子導入が不可能であったので、形質転換系の開発を行った。
品種花手毬、タピアンの茎切片にアグロバクテリウムを感染させ、諸条件を最適化することにより形質転換が可能となった。特に、花手毬サクラにチョウマメフラボノイド3',5'-水酸化酵素(F3'5'H)遺伝子を導入したところ、花色は薄ピンク色から藤色に変化し、花手毬サクラにはほとんど存在しないデルフィニジン型アントシアニンがアントシアニン全体の約50%に達した。また同時に、バーベナからF3'5'H、フラボノイド3'-水酸化酵素(F3'H)、ジヒドロフラボノール4-還元酵素(DFR)などの遺伝子を取得した。これらのアミノ酸配列は既に報告されている他種のホモログと合理的な相同性を示した。これらの分子生物学的、生化学的性質を検討したので、併せて報告したい。
(本研究の一部は生研機構からの受託により実施した。)
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© 2003 日本植物生理学会
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