日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

DタイプサイクリンCYCD4の植物個体発生における機能解析
*河野 淳梅田 正明内宮 博文
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 407

詳細
抄録
 Dタイプサイクリン(CYCD)は様々なシグナルに応答して発現し、G1/S期の進行を促す働きをすると考えられている。アラビドプシスにはCYCD遺伝子が10個存在するとされているが、我々はそのうちの一つCYCD4;1がG1/S期の進行だけでなくG2/M期の進行にも関わる可能性があることをすでに明らかにした。これはCYCD4;1がCYCDとしては今までに知られていない機能を持つことを示唆する。アラビドプシスにはこのCYCD4;1遺伝子と約55%の相同性を持つCYCD4;2遺伝子が存在する。
 我々はD4タイプサイクリン(CYCD4)の植物個体発生における機能を解明する目的で、まず両遺伝子の発現部位をin situ hybridization とプロモーターGUSアッセイにより解析した。これにより、両遺伝子共に維管束や葯などのかなり限られた組織で発現することが明らかになった。次にT-DNAタグラインの検索を行い、両遺伝子のT-DNA挿入変異体を単離した。この中で特にCYCD4;2のT-DNA挿入変異体は、花茎が抽台し始めると共に本葉が枯死し始め、最終的には花茎と花のみの植物体になり、捻性がかなり低下するという表現型を示した。現在、花粉形成におけるCYCD4 の役割に関して詳細な解析を進めている。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top