日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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タバコのDNAメチル化酵素 NtDRM1の基質特異性
*和田 七夕子山口 夕小泉 望佐野 浩
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p. 415

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抄録
真核生物のDNAに含まれる5-メチルシトシンは、自己ゲノムの発現調節や外来DNAの不活性化に機能する。シトシンのメチル化はS-アデノシルメチオニンをメチル基供与体として、DNAメチル化酵素により触媒される。植物のDNAメチル化酵素は、MET1、CMT、DRM の3ファミリーが存在する。本研究では、タバコより単離されたDRM(NtDRM1)について酵素解析を行った。
NtDRM1 cDNAは全長2540塩基で、シロイヌナズナ、トウモロコシで報告されていたDRMに高い相同性を示す、608アミノ酸からなるタンパク質をコードしていた。BY-2細胞で強制発現させたNtDRM1-GFP融合タンパク質は、核に局在した。昆虫培養細胞 (Sf9)を用いてGST-NtDRM1融合タンパク質を生産し、メチル化活性を検定した。GST-NtDRM1はpoly (dIdC)をメチル化した。合成DNAの場合、CpNpNに最も高い活性を示した。ついでCpNpG、そしてCpGに対する活性は低かった。NtDRM1は植物で初めて生化学的に酵素活性が示されたde novo型酵素であり、基質特異性を持つ新規な酵素であることが分かった。
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© 2003 日本植物生理学会
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