日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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GL2型ホメオボックス遺伝子FWAを用いた花成制御機構の解析
*池田 陽子小林 恭士阿部 光知荒木 崇
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p. 434

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抄録
 シロイヌナズナにおいては、花成遅延表現型を示す優性変異体fwaが知られている。fwa変異体では、プロモーター領域におけるDNAメチル化の低下により、GL2型ホメオボックス遺伝子FWAが異所発現している(Soope et al. 2000)。また、栄養成長期の野生型植物では、FWA遺伝子は発現しておらず、さらに、機能欠損変異体が花成時期に関して野生型と差がないことから、FWA遺伝子は花成制御には関わっていないと考えられる。一方、FWAと同じGL2型HD-ZIP蛋白質に属するANL2、PDF2を異所過剰発現させた場合、fwa変異体と同様に花成遅延表現型を示すことが報告されている(Weigel et al. 2000; Abe et al. in press)。これらの事実から、GL2型HD-ZIP蛋白質を異所発現させることにより、本来の制御機構が撹乱され、花成が阻害されるという仮説を考えている。これまでの遺伝学的解析から、FWAはFTの機能を阻害するか、あるいは、FTよりも下流の経路を何らかの機構で阻害すると推測される。そこで、FWAを用いることによりFTより下流の制御経路についての情報が得られると期待し、FWA蛋白質によって機能が阻害されるような蛋白質の探索を行っている。まず、FWAとFTの蛋白質間相互作用をyeast two-hybrid系を用いて検討した。また、FWAと相互作用する蛋白質についてもスクリーニングを進めている。これらについて報告する。                                    
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© 2003 日本植物生理学会
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