日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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花成誘導期のアサガオ茎頂部における無機元素の分布解析
*池上 奈通子中西 友子
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p. 439

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抄録
これまでの研究によって演者らは、アサガオ(ムラサキ)の茎頂部においてマグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)濃度が光条件に対応するような日内変動を示すことを見出した。さらに、Mgについては短日処理による花成誘導期に濃度変動の規則性が変化することが明らかとなった。そこで今回、アサガオ茎頂部におけるMgとCaの濃度分布を分析することによって、両元素と花成との関わりについて検討を試みた。分析手法としては、共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光試薬、Mag-fluo-4 AMおよびFluo-3 AMによる染色法と、SEM-EDSによる元素マッピング法を併用した。その結果、Mgは茎頂部の先端付近に高濃度に集積している一方、Caは茎頂部全体にほぼ均一に分布していることが示された。特に染色法によって、Mgの分布パターンは短日処理後に変化する傾向が示されたことから、これまで注目されていなかったMgの花成への関与が推察され、現在も実験を継続中である。
なお、元素の分布解析にあたって、包埋を行なわない凹凸のある試料へのSEM-EDSの応用法も検討したので、合わせて報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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