日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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好冷性生物のrpoH遺伝子発現の解析
*山内 清司宮城 和江奥山 英登志西山 佳孝林 秀則
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p. 463

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抄録
好冷性細菌Colwelllia marisは5~15℃の低温環境で生育している。C. marisのGroEL, DnaKの発現は約20℃で誘導されるにもかかわらず、上流には大腸菌の熱ショックプロモーターとよく似た配列が存在する。好冷性生物の熱ショック応答を明らかにする目的で今回、熱ショックプロモーターを認識するRpoH(σ32)をコードするrpoH遺伝子の発現の解析を行った。
 他の生物のRpoHのアミノ酸配列を参考にして混合プライマーを作製し、これを用いたPCRによって増幅されたDNA断片の塩基配列を決定したところ、大腸菌のRpoHの相当する部分と64%の相同性を持つアミノ酸配列をコードしていた。またこの推測されたアミノ酸配列中には、RpoHに特有なRpoH boxとよばれるアミノ酸配列領域が確認された。ノーザンブロット分析により、rpoHのmRNA量は20℃処理で蓄積すること、また20℃におけるその分解速度は10℃の場合より遅いことを確認した。このためRpoHの調節には、rpoH mRNAの安定性が関与していると推測される。現在さらに詳細な解析を行っている。
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© 2003 日本植物生理学会
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