抄録
オジギソウは、熱や接触などの刺激に応答し素早い屈曲運動を起こす。この運動は、様々な阻害剤による実験からアクチンの配向変化により引き起こされることが知られている。そこで、F-actin affinity colum により、アクチン結合タンパク質を検索したところアネキシンが得られた。In vitro においてアネキシンは、アクチンとの相互作用があったが、in vivo においてアクチンとの相互作用はなかった。このことにより、オジギソウの屈曲運動に伴うアクチンの配向変化にアネキシンは、直接関与しないことが明らかとなった。一方、アネキシンはオジギソウ各組織に存在し既知のアネキシン同様にカルシウムーリン脂質結合能を持っていた。さらに、低温、ABAにより主葉沈におけるアネキシンがタンパク質レベルで増加した。このことにより、オジギソウアネキシンはストレスに応答しタンパク質レベルで増加することが示唆された。そこで、主葉沈での局在を調べたところ形質膜に運動前後で局在していることが確認された。今回、主に主葉沈におけるオジギソウアネキシンの機能解析を報告する。