日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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新規ABA関連突然変異体の探索の試み
*村山 真紀西村 宜之浅見 忠男篠崎 一雄平山 隆志
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p. 510

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抄録
アブシジン酸(ABA)は種子の成熟から植物体の乾燥や塩ストレスへの応答やその耐性の獲得まで、多岐にわたって働くことが知られている。しかし、ABA情報伝達経路およびその制御機構については未だ不明な点が多い。本研究ではABA情報伝達経路の解明を目的とし、遺伝学的手法によるABA関連突然変異体の単離を試みた。
ABA認識が変化した突然変異体の探索を目的として、ABA類似化合物(ARI)存在下でABA応答を示す個体のスクリーニングを行った。ARIはABA分解阻害剤としての働くことが予想されたため、今回のスクリーニングには内性ABA含量が低下したaba2-1変異体に変異を導入した種子を用いた。この結果、6個体の変異体候補を得た。これらの変異体候補は、野生型が発芽できる程度のABA濃度下でも発芽が抑制されることから、ABA高感受性変異体であると思われる。現在、これらが新規の変異であるかを調べている。また、分子シャペロンであるHSP90がDrosophilaにおいて遺伝的多様性の緩和に働くことが示されている。そこで、HSP90の働きを阻害することにより表現型として現れる変異があると考え、HSP90阻害剤存在下でABA関連突然変異体のスクリーニングを行った。その結果についても報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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