日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナABA感受性変異体ahgの解析
*西村 宜之吉田 知村山 真紀浅見 忠男篠崎 一雄平山 隆志
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p. 511

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抄録
アブシジン酸(ABA)は、種子登熟、気孔の閉鎖や環境ストレスに対する応答機構に関わることが知られている。我々はこのような重要な作用を持つABAの情報伝達経路の一端を明らかとするため、遺伝学的手法を用い、解析することにした。これまでに、種子発芽において、ABA高感受性を示す8個のahg変異体(ABA hypersensitive germination, 昨年の本大会でair (ABA inhibitor responsive)と報告したが、このシンボルはすでに使用されていることが判明し、ahgと改名)を単離した。これらのうち、表現型が比較的強いahg1,2,3は、Colでは発芽可能な0.3μM ABA存在下において発芽せず、ahg4,5ahg1,2,3ほどではないがABAに対し、感受性を示した。さらにahg14についてSSLPマーカーを用い、マッピングを行ったところ、これらは新奇ABA高感受性変異体であると示唆された。
 現在、他の要因(NaCl,KCl,mannitol,glucose,sucrose)による発芽への影響や、他の植物ホルモンにより、根や胚軸の生長に影響があるか詳細に解析を行っている。また、マッピングによる各AHG遺伝子座の同定も試みている。
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© 2003 日本植物生理学会
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