日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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Acaryochloris marinaの光化学系IIの熱発光測定
*冨井 哲雄三野 広幸伊藤 繁
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p. 530

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抄録
クロロフィルd (Chl d) を主要色素として酸素発生光合成を行なうAcaryochloris marina (A.marina) 生細胞を用いて熱発光測定を行なった。未処理試料熱発光は42℃付近にピークを示し、このバンドはDCMU存在下では減少し、21℃付近に新たなピークが出現した。これより42℃付近のバンドはS2QB-、21℃付近のバンドはS2QA-状態からの熱発光と考えられる。これを同じ条件下のシアノバクテリアSynechocystis PCC6803と比較するとS2QA-由来のピーク温度は3℃高く,S2QB-由来のピーク温度は15℃ほど高温側であった。Chl d をもつA.marinaの光化学系IIでは、QAとQB間のエネルギー差が大きい事を示していると考えられる。短波長カットフィルタを用いた実験よりA.marinaはホウレンソウよりも長波長側おそらく励起状態のChl dから熱発光を出すと考えられる。フラッシュ数に依存して熱発光バンドのピーク温度は変化した。これらの結果と遅延蛍光の実験データを理論式で解析し、熱力学パラメータを求め、酸化還元エネルギ-準位の評価、検証を行なった。
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© 2003 日本植物生理学会
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