日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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A. alternata及び化学的ストレスによって誘導されるBY-2 β-1,3-グルカナーゼの特性解析
*斉藤 美佳子権藤 忍新屋 友規松岡 英明
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p. 609

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抄録
タバコ培養細胞BY-2に対して、Alternaria alternataの培養上清を作用させた際に、細胞内外に複数のキチナーゼアイソザイムが誘導されることを既に見出している。今回我々はBY-2グルカナーゼに注目し、BY-2に対して、A. alternata培養上清及び12種類の化学的ストレスを作用し、細胞内β-1,3-グルカナーゼ酵素活性を測定した。
酵母懸濁液を基質に用い活性を測定した結果、A. alternata培養上清により顕著なグルカナーゼ活性の上昇が認めたれたほか、サリチル酸、ラミナリンなど数種の化学物質によっても誘導が確認された。また、ジャスモン酸、アブシジン酸処理による誘導は認められなかった。A. alternata培養上清により誘導されるグルカナーゼ活性は、処理後12~24時間で活性の上昇が確認され、約60時間で活性は最大となった。A. alternata培養上清よって誘導されるBY-2キチナーゼの活性が3時間で最大となるのに対し、グルカナーゼは異なる応答パターンを示した。現在、これらストレス応答を遺伝子発現レベルで解析するために、既知のタバコグルカナーゼの塩基配列を元に、BY-2よりグルカナーゼcDNAのクローニングを行っている。
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© 2003 日本植物生理学会
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