日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナ突然変異体fl51を用いたがく片発生機構の解析
*八木 慎宜武田 征士岡田 清孝
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p. 634

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抄録
 花では、つぼみの段階で花弁、雄ずい、雌ずいの3つの器官はがく片に覆われている。これはがく片が進化の上で生殖器官である雄ずい及び雌ずいの保護器官として発達してきたことを反映していると考えられる。また花芽分裂組織から花器官が形成される際、まず4枚のがく片が形成された後に残りの花器官原基が形成される。この器官発生順序からもがく片が保護器官として機能していることが推測できる。
 がく片が保護器官として機能するには、つぼみを覆うことができる幅を維持することが必要と考えられる。fl51突然変異体ではがく片が細くなり、つぼみの段階でがく片間にすき間が生じる。また成熟したfl51突然変異体の花では野生型に比べがく片が長くなっている。がく片のアイデンティティには異常が見られないことを考え合わせると、FL51遺伝子はがく片の横方向と基部-先端部方向の発生機構に関与することが考えられる。
 これまでの解析から、FL51遺伝子は1番染色体の上腕に存在することが分かった。表現型の解析から考えられるFL51遺伝子の機能及びクローニング経過について報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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