抄録
rrd4は、根の再分化を指標形質として選抜した、シロイヌナズナ温度感受性変異体の1つである。その後の解析により、この変異体は脱分化や細胞増殖に関してサイトカイニン依存的な温度感受性を示すことがわかっている。脱分化・増殖に対するサイトカイニンの阻害作用は、通常きわめて高濃度で処理したときに観察されるが、rrd4変異体ではこのようなサイトカイニン副作用が低濃度域でも表面化するものと思われる。つまり、RRD4の本来の役割は、サイトカイニン副作用の抑圧にあると予想される。RRD4遺伝子の単離のために、まず精密染色体マッピングを行って、第1染色体上23 cMの位置、64 kbの範囲にRRD4遺伝子が存在することを突き止めた。次にこの領域内のCDSについて塩基配列を検討し、rrd4ゲノムのF20D23.23にアンバー変異を見出した。F20D23.23を含む野生型ゲノム断片をrrd4変異体に導入し、T2世代において、導入遺伝子の存在と制限温度下でのカルス形成能を調べたところ、これらが共分離していることが確認された。以上の結果から、RRD4遺伝子はF20D23.23に相当すると結論した。なお、このCDSは、マウスのTIP39(tuftelin-interacting protein)によく似たタンパク質をコードしている。