日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

塩素イオン要求性葉緑体酸素発生系の45℃での可逆的熱失活および塩素イオンとカルシウムイオン再添加による熱失活の抑制
*山下 魏
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 668

詳細
抄録
 昨年、50℃・30秒の熱処理で可逆的に熱失活した葉緑体・酸素発生系の光再活性化について報告し、さらに低い温度での熱失活が期待された。一方、光化学系・粒子では、塩素イオン要求性にすると45℃で酸素発生中心が熱失活出来ると報告されていたので(D. Nash, M.Miyao and N.Murata, Biochim. Biophys. Acta vol-807 (1985)127-133)、葉緑体も低調液で洗って塩素イオンを除くと、45℃で可逆的に熱失活し光再活性化出来るようになった。 この可逆的熱失活の部位が光化学系IIの酸素発生中心である事は、クロロフィル蛍光の立ち上がり現象(Fv-Fo)および酸素発生ヒル反応を測定して確認した。 この塩素イオン要求性葉緑体の熱失活は、塩素イオンとカルシウムイオンの添加で抑制・保護される興味ある特性を持つ事が分かったので報告する。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top