日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ムラサキ PHB: ゲラニルトランスフェラーゼの酵素化学的性質
*藤崎 隆広國久 美由紀佐藤 文彦矢崎 一史
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p. 674

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抄録
芳香族化合物のプレニル化は、二次代謝産物や生体キノンの生合成にとって重要な反応である。我々はナフトキノンであるシコニンを生産するムラサキから、p-hydroxybenzoic acid (PHB) をゲラニル化する PHB: geranyltransferase の cDNA を2種クローニングした。両酵素とも極めて近似した組織特異的発現、ならびに環境応答性を示すとともに、geranyl diphosphate に強い特異性を示した。今回さらに詳細に解析した結果、両者の反応速度、Km 値には明確な差異が認められた。そこでこれらの違いを明確にすることを目的に、プレニルトランスフェラーゼ活性に必須な部位を特定すべく、真核細胞由来の prenyltransferase において保存性の高い領域、ならびに低い領域を選び、5種類の deletion clone を作製しその酵素活性を測定した。その結果、いずれのクローンにおいても酵素活性が著しく低下することを認めた。deletion による立体構造変化が考えられることより、現在ポイントミューテーションによる、活性に必須なアミノ酸残基の解析を行っている。
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© 2003 日本植物生理学会
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