日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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PMTプロモーターのジャスモン酸応答領域
*大木 宏之浅沼 威行橋本 隆
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p. 677

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抄録
タバコが生産するニコチンは傷害に応答してその蓄積量が増加する。ニコチンをほとんど生産しないタバコnic変異株と野生型との遺伝子発現量の差から、いくつかの遺伝子が単離されている。そのうちの一つ、プトレシンN-メチルトランスフェラーゼ遺伝子(PMT)はニコチン生合成遺伝子の一つで、プトレシンにS-アデノシルメチオニンのメチル基を転移させる。傷害応答のシグナルにはジャスモン酸が関与しており、PMTについてもジャスモン酸応答性を示す。PMTプロモーターのジャスモン酸応答性を詳細に調べるために、PMTプロモーターのデリーションシリーズの作成および変異の導入を行い、ルシフェラーゼをレポーターとするコンストラクトを作成した。これらのコンストラクトをタバコBY-2細胞のプロトプラストにエレクトロポレーションで導入し、メチルジャスモン酸処理の有無による発現量の比較をdual luciferase assayにより行った。開始メチオニンの上流-172bpから-149bpまでの24bpを4コピータンデムにつなぎCaMV35Sの最小プロモーター(-46)につないだコンストラクトでメチルジャスモン酸に応答性を示すことが確認された。今回はPMTプロモーターの解析に加え、PMTと発現形式が非常によく似ているが機能未知の遺伝子A622のプロモーター解析についても合わせて発表する予定である。
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© 2003 日本植物生理学会
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