日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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重金属イオン輸送体、CPx-ATPase遺伝子(Bxa1)の単離と特性解析
劉 トン中島 進柴坂 三根夫且原 真木*笠毛 邦弘
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p. 703

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抄録
重金属イオン輸送に関与するCPx-ATPaseは新しい型のP型ATPaseの1つである。その存在は植物細胞においてはあまりよく知られていない。本研究においてラン藻Oscillatoria brevisのゲノムDNAから重金属イオン輸送に関わると思われるP型ATPaseの一種であるCPx-ATPaseをコードする遺伝子(Bxa1)を単離し、その特性解析を行ったので報告する。
膜を介して重金属イオンの輸送に関与するCPx-ATPaseをコードする、全長1983-bp ORFの遺伝子は8個の膜貫通領域を含んでいた。またP型ATPaseに共通なATP結合部位(GDGINDAP)、リン酸化部位(DKTGTL)、ホスファターゼドメイン(TGES)や陽イオン輸送チャンネル(CPC)、と考えられる保存モチーフを含んでいた。N末端にはシステインの代わりに11個のヒスチジンモチーフが存在した。Bxa1のmRNAは1価(Cu+、Ag+)および2価(Zn2+、Cd2+)のいずれの重金属によっても同様なレベルで誘導された。またBxa1を導入したE. coliの形質転換体においてもいずれの種類の重金属に対しても耐性を示した。
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© 2003 日本植物生理学会
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